剣岳早月尾根日帰り
3年越しの夢が叶いました。まーギリギリでしたが。
思えば山と渓谷2006年12月号の雪山の表紙から始まりました。
なんとなく雪山=プロの世界と思っていましたが、結構みんな登ってるの?と興味がでて、 たどり着いた先は山スキーって最高!と思いましたがそんな簡単に冬山に登れる筈も無く、 素人が単独で雪山?そんなん無理とわかりました。
なら取り合えず登山からしてみようと相成りました。
そんな中で過酷なルートを日帰りするお医者さんをしってしまったので・・・。
無謀な夢が膨らんでしまいました。恐ろしや。
速攻で登山靴を仕入れ近所にある低山「下市山」を店主に教えて貰い通いまくりました。
時々ランニングもしましたが、剱岳は大きかったー。
では、はじまりでっす。
3時起床飯食って「試練と憧れの碑」前に4時でした。
標高1400~1600mあたりで富山平野に雲海が。ちょっと感動!
小屋から剱岳を望む。とーいー。
小屋を過ぎると小心者の僕は心臓が止まりそうでした。「落ちたら死ぬ」が頭に湧いています。
なんとか登っても疲労困憊で帰りに滑落???と不安でいっぱいです。
そんな不安を同じく日帰りのおっちゃんに「ゆっくり登ってゆっくり下りたら行けると諭され 不安はありますがどんどん登ります。
カメラも恐いので仕舞ったから小屋から山頂まで写真はありません。
で生きた心地がしませんでしたが山頂に立ってしまった。
立山
鹿島槍ヶ岳
立山の後ろに槍が見えた!
写真を撮って貰ったクライマーはギザギザからやって来た様です。
04時 馬場島
11時半 山頂着
12時半 山頂発
19時 馬場島
行きと帰りの時間がほぼ同じ。
石橋を叩いて叩いて渡る性格なので万が一にも死にたくない思いで脚を超ゆっくり運んでいたらこんな時間になってしまった。
道も譲りまくりで本日の馬場島着ビリでした。心身共に砕け散りました。
アルプスの湯に入るまでは極限の疲労困憊感でした。意識を失いそうな位。
でももう二度と行けないです。荒島岳2.5倍と聞いた通りでした。超恐かった。
剣岳早月尾根日帰りを振り返って!
カシミールにてGPSトラックデータをグラフ表示してみました。
早月尾根の単純標高差は馬場島が760m、剱岳山頂が2999mなので2239mですが、
多少のアップダウンがあり片道あたりデータを信用すると+2336m、-105mの標高差があるようです。
帰りの登り105mと2336mを足すと2441mとなり、
地図で累計標高差を2500m位と予想していたよりは少し助かりました。
馬場島から標高を1000mあげるのには時間あたり420m登っています。
早月小屋から山頂までは時間あたり216m登っています。
低山だと時間500m程は登りますが、今回は馬場島に帰り着くまでスタミナ切れは許されないので
自分ではゆっくり登ったつもりですが、前半ちょっと早すぎたみたいで帰りの小屋から下はかなり辛かったです。
標高1600mあたりまで下りた位からは低血糖だったと思います。
だんだん日も暮れだして霧も出始め気持ちは焦ります。
真っ暗な登山口に下りたときには残りの体力は5%を切っていたでしょう。
剱岳と早月小屋
富山平野方向、夜は夜景が見えるそうです。
立山の室堂平方向
今回恐かったのは、小屋の手前で何カ所かロープやザイルが垂らしてある所があり、
花崗岩がモロく風化していて確かな足がかりが殆ど無いところです。
ロープに体重を預けて登るのですが、もし切れたら高確率で捻挫位はするかもしれません。
山で捻挫は遭難に近い状態ですので恐い箇所です。
それから小屋を過ぎて2400mから2800m位までは四つん這いになる箇所も多く
下りも後ろ向きを強いられます。
本などで危険箇所の鎖場として知られる獅子頭やカニのハサミと言った所は太い鎖が張ってあり
信用しすぎるのも危険でしょうが、かなり安心で恐く無かったです。
また登りでかなり急に感じた所も下りでは何故があまり恐く無かったです。
多分ついさっきとは言え2度目に通るからでしょう。経験とはスゴいものです。
やはり1番恐いのは片側が切れ落ちた登山道だと思います。
登山道自体は緩やかでも、つまずいて崖側に転けたら・・・終わりです。
これがネックで小屋より上では体力を消耗しますがストックは使いませんでした。
ストックに体重を預けるとスゴい楽ですが、崖側に体重を掛けて道が崩壊するかもと思うと恐くて。
あとは小屋より上はかなり大きい石も浮いています。
ぐらつきを感じたら別の石を手掛かりにした方が良いと思います。
こんな小心な僕でも岩登り区間はちょっと楽しくもあり不思議な感じ。
ま、生きて帰って来れたからでしょうけどー。
月と雲海は絵に成るねえ。
剣沢キャンプ場
五竜岳
唐松岳
白馬岳・鎧ヶ岳
標高1200mの表示板、
下山時この次は緩やかな松尾平の標高1000m表示板が最後なのでやっと帰って来た!と思いました。